○12月8日に内閣府が公表した「景気ウォッチャー調査」によると、東海地区の11月の現状判断DI(3ヶ月前と比較しての景気の現状に対する判断:各分野計)は前月差0.6ポイント低下の47.7と2ヶ月ぶりに低下し、横ばいを示す50を4ヶ月連続で下回った。家計動向関連(小売、飲食、サービス、住宅関連)DIは、11月は同3.0ポイント低下の45.8と、2ヶ月ぶりに低下し、横ばいを示す50を4ヶ月連続で下回った。企業動向関連と雇用関連からなるDIは、11月は同4.0ポイント上昇の51.3と、4ヶ月ぶりに上昇し、横ばいを示す50を4ヶ月ぶりに上回った(注1)。
○11月の先行き判断DIは、前月差2.7ポイント低下の49.2と3ヶ月ぶりに低下し、横ばいを示す50を2ヶ月ぶりに下回った。また、家計動向関連のウォッチャーによる景気の先行き判断DIは同3.6ポイント低下の49.1と、3ヶ月ぶりに低下し、横ばいを示す50を2ヶ月ぶりに下回った。企業動向・雇用関連のウォッチャーによる景気の先行き判断DIは同0.9ポイント低下の49.4と、2ヶ月連続で低下し、横ばいを示す50を3ヶ月ぶりに下回った。
○現在の景気の水準自体に対する判断DI(各分野計)は、11月は前月差1.8ポイント低下の45.8と、2ヶ月ぶりに低下したが、中立を示す50を4ヶ月連続で下回った。家計動向関連のウォッチャーによる景気の水準自体に対する判断DIは同4.8ポイント低下の41.8と、2ヶ月ぶりに低下し、中立を示す50を20ヶ月連続で下回っている。企業動向・雇用関連のウォッチャーによる景気の水準自体に対する判断DIは同3.5ポイント上昇の53.2と、2ヶ月ぶりに上昇し、中立を示す50を2ヶ月ぶりに上回った。
○内閣府では、全国調査での景気ウォッチャーの見方として「景気は、中国経済に係る動向の影響等がみられるが、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、中国経済の動向やテロ事件など、海外情勢への懸念がある一方で、観光需要や燃料価格の低下、雇用の改善への期待等がみられる」とまとめ、前月の判断を基本的に維持している。
(10月のまとめ)「景気は、中国経済に係る動向の影響等がみられるが、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、冬のボーナスへの期待等がみられるものの、中国経済の情勢や物価上昇への懸念等がみられる」
○東海経済については、「景気は、横ばい圏で推移しており、弱い動きが続いている。先行きについては、中国経済の減速が懸念材料だが、自動車のニューモデル投入やそれに伴う自動車の増産が下支え要因となる」とまとめられる。
(10月のまとめ)「景気は、横ばい圏で推移しており、弱い動きが続いている。先行きについては、ボーナスの増加、自動車のニューモデル投入効果、伊勢志摩サミットの効果がプラス材料となる一方で、中国経済の減速も影響した輸出の伸び悩みが懸念材料となっている」
○景気の現状判断DIは2ヶ月ぶりに低下し、横ばいを示す50を4ヶ月連続で下回った。家計動向関連の現状判断も2ヶ月ぶりに低下し、4ヶ月連続で横ばいを示す50を下回った。11月にしては暖かい日が続き季節商品の需要が低調であったことが影響している。一方、企業動向・雇用関連の現状判断は4ヶ月ぶりに上昇し、同じく4ヶ月ぶりに50を上回った。中国など新興国景気の減速は続いているが、やや落ち着きを見せる一方で、自動車や自動車部品の増産がプラス材料となっている。
○景気の先行き判断DIは3ヶ月ぶりに低下し、横ばいを示す50を2ヶ月ぶりに下回った。特に家計動向関連での低下は大きく、先行きの見方が慎重になっている。ボーナスの支給、年末年始の需要拡大など売上が増える季節ではあるが、あまり盛り上がらないのではないかという不安感がある。一方、企業動向・雇用関連でも2ヶ月連続でDIが低下しているが、低下幅は10月より縮小した。中国経済の減速は懸念材料であるが、やや落ち着きを見せていることと、来年にかけて自動車の販売や生産の増加が期待されていることが下支え材料となっている。
(注1)企業動向関連と雇用関連からなるDIは、内閣府HPに掲載されている地域別の各分野合計値から家計動向関連の値を除いた上で、「景気ウォッチャー調査」のDI算出方法に従って当社調査部にて試算した。
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