○1月12日に内閣府が公表した「景気ウォッチャー調査」によると、東海地区の12月の現状判断DI(3ヶ月前と比較しての景気の現状に対する判断:各分野計)は、前月差1.8ポイント上昇の49.5と2ヶ月ぶりに上昇したが、横ばいを示す50を5ヶ月連続で下回っている。家計動向関連(小売、飲食、サービス、住宅関連)DIは、同1.9ポイント上昇の47.7と、2ヶ月ぶりに上昇したが、横ばいを示す50を5ヶ月連続で下回っている。企業動向関連と雇用関連からなるDIは、同1.8ポイント上昇の53.1と、2ヶ月連続で上昇し、横ばいを示す50を2ヶ月連続で上回った(注1)。
○12月の先行き判断DIは、前月差1.5ポイント低下の47.7と2ヶ月連続で低下し、横ばいを示す50を2ヶ月連続で下回った。また、家計動向関連のウォッチャーによる景気の先行き判断DIは、同3.6ポイント低下の45.5と、2ヶ月連続で低下し、横ばいを示す50を2ヶ月連続で下回った。企業動向・雇用関連のウォッチャーによる景気の先行き判断DIは、同2.7ポイント上昇の52.1と、3ヶ月ぶりに上昇し、横ばいを示す50を2ヶ月ぶりに上回った。
○現在の景気の水準自体に対する判断DI(各分野計)は、12月は前月差2.2ポイント上昇の48.0と、2ヶ月ぶりに上昇したが、中立を示す50を5ヶ月連続で下回っている。家計動向関連のウォッチャーによる景気の水準自体に対する判断DIは、同3.7ポイント上昇の45.5と、2ヶ月ぶりに上昇したが、中立を示す50を21ヶ月連続で下回っている。企業動向・雇用関連のウォッチャーによる景気の水準自体に対する判断DIは、同0.4ポイント低下の52.8と、2ヶ月ぶりに低下したが、中立を示す50を2ヶ月連続で上回っている。
○内閣府では、全国調査での景気ウォッチャーの見方として「景気は、中国経済に係る動向の影響等がみられるが、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、中国経済の動向など、海外情勢への懸念がある一方で、観光需要や受注の増加、雇用の改善への期待等がみられる」とまとめ、前月の判断を基本的に維持している。
(11月のまとめ)「景気は、中国経済に係る動向の影響等がみられるが、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、中国経済の動向やテロ事件など、海外情勢への懸念がある一方で、観光需要や燃料価格の低下、雇用の改善への期待等がみられる」
○東海経済については、「景気は、横ばい圏で推移しているが、企業活動に持ち直しの動きが出ている。先行きについては、自動車の増産の影響が下支え要因となる一方で、家計の消費動向の先行きには懸念が続いている」とまとめられる。
(11月のまとめ)「景気は、横ばい圏で推移しており、弱い動きが続いている。先行きについては、中国経済の減速が懸念材料だが、自動車のニューモデル投入やそれに伴う自動車の増産が下支え要因となる」
○景気の現状判断DIは2ヶ月ぶりに上昇したが、横ばいを示す50を小幅ながら5ヶ月連続で下回った。家計動向関連の現状判断も2ヶ月ぶりに上昇したが、5ヶ月連続で横ばいを示す50を下回った。歳末商戦、クリスマスなど季節要因がプラスに働いたが、天候は暖冬が影響してマイナス材料となったようだ。一方、企業動向・雇用関連の現状判断は2ヶ月連続で上昇し、2ヶ月連続で横ばいを示す50を上回った。中国など新興国景気の減速は続いているが、自動車や自動車部品の増産がプラス材料となり、持ち直しの動きが出ている。
○景気の先行き判断DIは2ヶ月連続で低下し、横ばいを示す50を2ヶ月連続で下回った。特に家計動向関連での低下幅が大きい。家計動向関連の現状判断DIは上昇したが、季節要因による改善が先行きも続くという確信は持てないようだ。一方、企業動向・雇用関連では3ヶ月ぶりにDIが上昇し、横ばいを示す50を2ヶ月ぶりに上回った。足元での自動車生産の増加が設備投資や雇用へ波及する効果が期待されている。
(注1)企業動向関連と雇用関連からなるDIは、内閣府HPに掲載されている地域別の各分野合計値から家計動向関連の値を除いた上で、「景気ウォッチャー調査」のDI算出方法に従って当社調査部にて試算した。
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