景気ウォッチャー調査(東海地区:2016年2月) ~現状判断DIは2ヶ月連続低下、7ヶ月連続の50割れ~

2016/03/08 塚田 裕昭
景気ウォッチャー調査(東海)

○3月8日に内閣府が公表した「景気ウォッチャー調査」によると、東海地区の2月の現状判断DI(3ヶ月前と比較しての景気の現状に対する判断:各分野計)は、前月差2.0ポイント低下の45.6と2ヶ月連続で低下し、横ばいを示す50を7ヶ月連続で下回っている。家計動向関連(小売、飲食、サービス、住宅関連)DIは、同1.4ポイント低下の44.0と、2ヶ月連続で低下し、横ばいを示す50を7ヶ月連続で下回っている。企業動向関連と雇用関連からなるDIは、同3.2ポイント低下の48.7と、2ヶ月連続で低下し、横ばいを示す50を4ヶ月ぶりに下回った(注1)。

○2月の先行き判断DIは、前月差1.8ポイント低下の48.6と2ヶ月ぶりに低下し、横ばいを示す50を2ヶ月ぶりに下回った。また、家計動向関連のウォッチャーによる景気の先行き判断DIは、同1.0ポイント低下の49.5と、2ヶ月ぶりに低下し、横ばいを示す50を2ヶ月ぶりに下回った。企業動向・雇用関連のウォッチャーによる景気の先行き判断DIは、同3.5ポイント低下の46.8と、2ヶ月連続で低下し、横ばいを示す50を3ヶ月ぶりに下回った。

○現在の景気の水準自体に対する判断DI(各分野計)は、2月は前月差1.0ポイント低下の44.9と、2ヶ月連続で低下し、中立を示す50を7ヶ月連続で下回っている。家計動向関連のウォッチャーによる景気の水準自体に対する判断DIは、同0.1ポイント低下の42.2と、2ヶ月連続で低下し、中立を示す50を23ヶ月連続で下回っている。企業動向・雇用関連のウォッチャーによる景気の水準自体に対する判断DIは、同2.6ポイント低下の50.3と、2ヶ月ぶりに低下したが、中立を示す50を4ヶ月連続で上回っている。

○内閣府では、全国調査での景気ウォッチャーの見方として「景気は、円高、株安といった金融資本市場の不安定な動きの中、消費動向等への懸念により、このところ弱さがみられる。先行きについては、春物商戦やローン金利低下への期待等がある一方で、引き続き、先行き不安や金融資本市場の動向が企業、家計のマインド等に与える影響に留意する必要がある」とまとめ、「緩やかな回復基調が続いている」としてきた前月までの判断を下方修正した。
(1月のまとめ)「景気は、中国経済に係る動向の影響等がみられるが、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、中国経済や株価等の動向への懸念がある一方で、観光需要や受注増加への期待がみられるが、先行き判断DIが2か月連続の下落となったこともあり、懸念要因がマインドの基調に与える影響に留意する必要がある」

○東海経済については、「景気は、家計動向関連を中心に弱い動きが広がっている。また、企業動向・雇用関連では持ち直しの動きが一服している。先行きについては、伊勢志摩サミットに対する期待が広がっているが、中国経済減速や株価の大幅下落が引き続き不安材料となっている」とまとめられる。
(1月のまとめ)「景気は、横ばい圏で推移している。家計動向関連で弱い動きが続いている一方、企業動向・雇用関連では持ち直しの動きが続いている。先行きについては年度末までは自動車の増産の影響が下支え要因となるが、株価の大幅な下落が不安材料となっている」

○景気の現状判断DIは2ヶ月連続で低下し、横ばいを示す50を7ヶ月連続で下回った。家計動向関連の現状判断も2ヶ月連続で低下し、7ヶ月連続で横ばいを示す50を下回り、弱い動きが広がっている。年初からの株価の下落に加え、マイナス金利もマイナス材料として評価されている。一方、企業動向・雇用関連の現状判断も2ヶ月連続で低下し、横ばいを示す50を4ヶ月ぶりに下回り、持ち直しの動きが一服している。自動車生産の一部停止もあって、自動車の増産効果が一巡している。

○景気の先行き判断DIは2ヶ月ぶりに低下し、横ばいを示す50を2ヶ月ぶりに下回った。家計動向関連の先行き判断も同様の動きとなっている。季節要因による盛り上がりに対する期待が続いており、伊勢志摩サミットに対する期待も広がっているが、年初からの株価下落が不安感を強めている。企業動向・雇用関連では2ヶ月連続でDIが低下しており、横ばいを示す50を3ヶ月ぶりに下回った。中国経済の減速や株価の大幅な下落が引き続き先行きの不安材料となっている。

(注1) 企業動向関連と雇用関連からなるDIは、内閣府HPに掲載されている地域別の各分野合計値から家計動向関連の値を除いた上で、「景気ウォッチャー調査」のDI算出方法に従って当社調査部にて試算した。

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