景気ウォッチャー調査(東海地区:2017年2月) ~ 現状判断DIは2ヶ月ぶりに上昇 ~

2017/03/08 塚田 裕昭
景気ウォッチャー調査(東海)
国内マクロ経済

○3月8日に内閣府が公表した「景気ウォッチャー調査」によると、東海地区の2月の現状判断DI(3ヶ月前と比較しての景気の現状に対する判断 ※季節調整値)は、前月差0.7ポイント上昇の50.3と2ヶ月ぶりに上昇した。原数値では50.9と前月から0.9ポイント上昇し、横ばいを示す50を小幅上回った。分野別(原数値)にみると、家計動向関連(小売、飲食、サービス、住宅関連)DIは、同0.4ポイント上昇の48.9と2ヶ月ぶりに上昇したが、横ばいを示す50を2ヶ月連続で下回った。企業動向関連と雇用関連からなるDIは、同2.2ポイント上昇の55.2と3ヶ月連続で上昇し、横ばいを示す50を5ヶ月連続で上回った(注1)。

2月の先行き判断DI(2~3ヶ月先の景気の先行きに対する判断 ※季節調整値)は、前月差4.2ポイント上昇の52.3と4ヶ月ぶりに上昇した。原数値では52.8と前月から4.2ポイント上昇し、横ばいを示す50を13ヶ月ぶりに上回った。分野別(原数値)にみると、家計動向関連のウォッチャーによる景気の先行き判断DIは、同3.2ポイント上昇の51.6と3ヶ月連続で上昇し、横ばいを示す50を13ヶ月ぶりに上回った。企業動向・雇用関連のウォッチャーによる景気の先行き判断DIは、同6.2ポイント上昇の55.2と3ヶ月ぶりに上昇し、横ばいを示す50を2ヶ月ぶりに上回った。

現在の景気の水準自体に対する判断DI(季節調整値)は、2月は前月差0.6ポイント低下の49.1と5ヶ月ぶりに低下した。原数値では49.6と前月から0.8ポイントと2ヶ月ぶりに上昇し、横ばいを示す50を19ヶ月連続で下回った。分野別(原数値)にみると、家計動向関連のウォッチャーによる景気の水準自体に対する判断DIは、同1.5ポイント上昇の47.1と2ヶ月ぶりに上昇したが、中立を示す50を35ヶ月連続で下回った。企業動向・雇用関連のウォッチャーによる景気の水準自体に対する判断DIは、同0.5ポイント低下の54.9と3ヶ月ぶりに低下したが、中立を示す50を5ヶ月連続で上回った。

○内閣府では、全国調査での景気ウォッチャーの見方として「持ち直しが続いているものの、引き続き一服感がみられる。先行きについては、海外情勢への懸念が和らぐ中、引き続き受注や求人増加等への期待がみられる」とまとめ、現状については先月の判断を据え置き、先行きについては先月に比べ見方を改善している。
(1月のまとめ)「持ち直しが続いているものの、一服感がみられる。先行きについては、引き続き受注や求人増加等への期待があるものの、海外情勢への懸念の高まりがみられる」

○東海経済についての東海地区の景気ウォッチャーの見方は「景気の持ち直しの動きが続いている。先行きについては、世界経済の不確実性など懸念材料は残るものの、足下の高水準の株価動向が安心材料となる中、季節的な盛り上がりもあって改善方向の見方につながっている」とまとめられる。
(1月のまとめ)「景気の持ち直しの動きが続いているものの、天候要因などにより一服感が見られる。先行きについては、年度末にむけての需要の拡大への期待があるが、米国新大統領就任による不確実性の高まりなど海外情勢への懸念が高まっている」

○景気の現状判断DI(季節調整値)は50.3と2ヶ月ぶりに上昇した。原数値では50.9と前月から0.9ポイント上昇し、横ばいを示す50を小幅上回った。分野別(原数値)にみると、家計動向関連の現状判断は2ヶ月ぶりに上昇したが、横ばいを示す50を2ヶ月連続で下回った。1月に見られた天候要因による悪化は収まり、季節要因による盛り上がりもあって持ち直しの動きが続いている。企業動向・雇用関連の現状判断は3ヶ月連続で上昇し、横ばいを示す50を3ヶ月連続で上回った。DIの水準は他地域に比べ高くなっている。

○景気の先行き判断DI(季節調整値)は52.3と4ヶ月ぶりに上昇した。原数値では52.8と前月から4.2ポイント上昇し、横ばいを示す50を13ヶ月ぶりに上回った。分野別(原数値)にみると、家計動向関連の先行き判断は3.2ポイント上昇の51.6と3ヶ月連続で上昇し、横ばいを示す50を13ヶ月ぶりに上回った。企業動向・雇用関連のDIは3ヶ月ぶりに上昇し、横ばいを示す50を2ヶ月ぶりに上回った。世界経済の不確実性など懸念材料は残るものの、足下の高水準の株価動向が安心材料となる中、季節的な盛り上がりが先行き改善との見方につながっている。

(注1)企業動向関連と雇用関連からなるDI(原数値)は、内閣府HPに掲載されている地域別の各分野合計値から家計動向関連の値を除いた上で、「景気ウォッチャー調査」のDI算出方法に従って当社調査部にて試算した。

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