「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中核である「持続可能な開発目標(SDGs)」は、国際社会のコンセンサスである。そしてその達成に向けた取り組みは、企業の持続可能な成長のためにも必要不可欠な要素となっている。ESG投資の規模も拡大していく中、企業経営にSDGsの視点を確実に融合していくことが求められている。
1. SDGsの意義
2015年9月にニューヨークの国際本部で開催された第70回国連総会では、193の加盟国首脳が一堂に会する中、2016年から30年までの国際社会の羅針盤となる「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択された。本アジェンダの中核を成す「持続可能な開発成長(Sustainable Development Goals : SDGs)」は、「leave no one behind(誰も取り残さない)」を基本的な理念として国際社会の極めて重要な課題の解決に向け、17の目標と169のターゲットを掲げている。SDGsは発展途上国のための開発目標として食料、教育、保健医療などの「ベーシック・ニーズ」に集中していた前身の「ミレニアム開発目標(MDGs:Millennium Development Goals)」とは異なり、経済、社会、環境といった3つの側面のバランスを追求しながら、持続可能な社会の形成に向けたグローバルコンセンサスである。
SDGsの17の目標では、目標6(安全な水とトイレを世界中に)、目標12(つくる責任 つかう責任)、目標13(気候変動に具体的な対策を)、目標14(海の豊かさを守ろう)、目標15(陸の豊かさも守ろう)等の目標は、特に環境との関わりが強くなっている。前身の一つであるMDGから、環境側面において目標が増加している。
(出典)国際連合広報センター
また、途上国の貧困を対象にしていたMDGsと違い、SDGsでは先進国も含む世界全体の経済・社会情勢を対象としている。そのため国連加盟各国の政府、NGOや有識者の役割は言うまでもなく重要となるが、企業もまた主要な実施主体として位置付けられている。・・・(続きは全文紹介をご覧ください。)
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