新型コロナウイルス対応を契機とした物流業のICT活用・業務改善施策

2020/06/11 木下 稔規
デジタルイノベーション
デジタルトランスフォーメーション

1. はじめに
新型コロナウイルスによる物流業への影響として、海外でのロックダウンや工場休止による輸出入の停滞、国内においても店舗休業などにより物量の減少が発生している。一方で、ネット通販の需要増により、消費財においては大幅な物量の増加も発生している。
しかし、現場の作業員やトラックドライバーなど人的資源に大きく依存する物流業では、こうした物量の増減に柔軟に対応するのは困難である。また、人との接触を控えなければならない状況においても、モノを動かす物流業務ではテレワークや在宅勤務で対応できる範囲は限定的である。
従来からの人手不足、及び、ポストコロナ時代への対応として、物流現場における生産性向上や省人化は、これまで以上に求められることが想定される。たとえば、自動倉庫やロボットを導入して入庫作業およびピッキング作業を自動化することや、ソーターを導入し配送方面別の仕分け作業を自動化することなどが考えられる。また、これまでは不在再配達への対応策として進められてきた「置き配」や「宅配ロッカー」などの荷物の受け取り方も、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための非対面の方法として利用範囲が拡大していくだろう。
一方で、中小企業では大規模な設備投資は困難であることも多い。まずは、従来から利用されている「WMS(Warehouse Management System:倉庫管理システム)」などの活用やクラウドサービスとして提供され安価に利用を開始できるソリューションの活用から進めていく必要がある。今回は、WMSなど物流業で利用されているシステムやAIやRPA(Robotic Process Automation)といった最新テクノロジーの活用方法を紹介したのち、生産性向上や省人化の実現に向けた中小企業のICT活用ポイントを解説する・・・(続きは全文紹介をご覧ください)

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