ハンガリーへの大型投資に見る中国の欧州EV展開戦略

2024/02/22 山野井 茜
グローバルビジネス
中国
事業戦略
自動車産業

欧州では中国製の電気自動車(EV)に対する警戒感が増している。2023年9月、フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は一般教書演説の中で、巨額の国家補助金によって価格が人為的に低く抑えられているとして、中国製EVに対する補助金調査を開始すると発表した。一方で、ここ数年ハンガリーにおいては、中国からのEV関連の大型投資が相次いでいる。2022 年には世界最大の電気自動車(EV)用バッテリーメーカーである寧徳時代(CATL)が工場設立を発表し、さらに2023 年12月には完成車メーカー(OEM)である比亜迪(BYD)が欧州初の乗用車工場の設立を発表した。

この中国によるハンガリーへの大型投資の背景を紐解くと、中国の欧州でのしたたかなEV戦略が透けて見えてくる。本稿では、まず現在のハンガリーへの EV 関連投資の状況を見たうえで、次に大型投資の背景にある中国、ハンガリー双方の思惑を分析する。最後に CATL によるハンガリーへの投資を例にすることで、中国の欧州でのEV戦略の一端を示したい。

(一般財団法人外国為替貿易研究会「国際金融」2024年2月号より転載)

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※(2024年2月22日訂正)レポート中に以下の通り誤りがありました。訂正してお詫び申し上げます。

・2ページ (3)中国からの大型投資
 正:翌2023年7月には欣旺達(Sunwoda)が2億4,500万ユーロを投じ
 誤:翌2023年7月には欣旺達(Sunwoda)が2億4,500ユーロを投じ

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