インド下院総選挙2024の結果と今後の見通し~第3次モディ政権誕生も、連立政権により意思決定が鈍化~
2024/06/28 榎堀 秀耶
アジア
海外マクロ経済
グローバル
2024年6月4日に開票を迎えたインド下院総選挙は、市場関係者の事前の見立てに反し、予想外の結果となった。ナレンドラ・モディ首相率いる与党・インド人民党(BJP:Bharatiya Janata Party)が、前回総選挙を上回る議席数を獲得し、今回も単独過半数を得るであろうと思われていた。だが、BJPは大きく議席数を減らし、単独過半数割れとなる事態となった。BJPを主軸とする与党連合・国民民主同盟(NDA:National Democratic Alliance)は、過半数を維持した。同年6月9日にはモディ氏が3期目の首相に就任したものの、3期目のモディ政権は連立政権とならざるを得ず、連立を組む地方政党との連携次第では、従来の強権的かつスピーディーな政権運営は変更を余儀なくされる可能性がある。
本稿では、インド下院総選挙の結果を概観した上で、BJPが議席を減らした要因を分析し、今後の政権運営の見通しを考察する。
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