パリ協定の発効と我が国の気候変動対策の動向

2016/12/06 森本 高司
気候変動

1. はじめに

2015年12月、フランス・パリで開催された国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)において、気候変動対策に関する2020年以降の新たな国際枠組みを規定した「パリ協定(Paris Agreement)」が採択された。このパリ協定の発効までには数年を要するものと予測されていたが、温室効果ガスの二大排出国である米国と中国が本年9月に同時に批准し、それに続いてEUも10月に一括批准したため、パリ協定の発効要件1が満たされ、想定より大幅に早い本年11月4日に発効した。

パリ協定は、これまでの気候変動に対する国際社会の取り組みを大きく転換する歴史的かつ画期的な合意であり、今後の国際社会および我が国に与える影響は極めて大きい。本稿では、パリ協定の概要と特徴を紹介するとともに、パリ協定に基づく我が国の気候変動対策の動向について概説する。

2. パリ協定の概要と特徴

パリ協定は、気候変動の抑制に向け、先進国のみに法的拘束力のある温室効果ガス排出削減目標を設定した京都議定書に変わる新たな国際枠組みを規定した合意文書である。このパリ協定は、京都議定書等の既存の枠組みと何が異なるのであろうか。本項では ....(続きは全文紹介をご覧ください)

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