2017年度東海3県主要集客施設・集客実態調査~大規模商業施設開業が相次ぐ中、イベント開催・新規投資が奏功~

2018/05/16 内田 克哉、加藤 千晶
東海
独自調査

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:村林 聡)は、「2017年度東海3県主要集客施設・集客実態調査」(東海地方の主要集客施設へのアンケート調査、2018年4月実施:73施設が回答)をもとに、2017年度(2017年4月~2018年3月)の集客実態を分析しました。

【調査結果の概要】

■各施設の集客数の状況 <資料① p.2、3参照>

  • 「ナガシマリゾート」(三重県桑名市)が、1,530万人と12年連続でトップ。同施設内のアウトレットモール「ジャズドリーム長島」の第5期増床オープン(2017年9月)が集客増に寄与した。
  • 2位は約884万人の「刈谷ハイウェイオアシス」(愛知県刈谷市)で、遊園地や天然温泉、デラックストイレ等の充実した施設がメディアに頻繁に取り上げられて話題となった2015年度以降も高い水準を維持している。
  • 3位は約615万人の「中部国際空港セントレア」(愛知県常滑市)で、新ターミナルビル建設工事による駐車場の利用台数制限と、これに伴う混雑期の集客イベント抑制が集客減の要因となった。
  • 4位は約453万人の「国営木曽三川公園・河川環境楽園 自然発見館」(岐阜県各務原市)で、新エリアのオープンが集客を伸ばす要因となった。
  • 5位は約390万人の「ナゴヤドーム」(愛知県名古屋市)で、恒例の大型イベント不開催が影響し、集客数が減少した。

■対前年度比の傾向 ~5割の施設で減少、前年度調査からは回復傾向~ <資料② p.4、5参照>

  • 対前年度比では、72施設*中、33施設(45.8%)で増加、3施設(4.2%)が維持、36施設(50.0%)が減少となった。前年度調査では、62.3%の施設が対前年度割れであったことから、全体としては回復の傾向にあるといえる。(* 前年度の数値と比較可能な施設)
  • 対前年度比23.7%増を示し、増加率1位の「名古屋市国際展示場 ポートメッセなごや」(愛知県名古屋市)は、「ロボカップ2017世界大会」等、大型イベントの実施により集客を伸ばした。
  • 増加率3位の「名古屋港水族館」(愛知県名古屋市)は、新施設のオープン、メインプールでのシャチ公開、メディアへの露出増加が集客増をもたらした。
  • 増加率6位の「名古屋市東山動植物園」(愛知県名古屋市)、8位の「豊橋総合動植物公園」(愛知県豊橋市)では、ナイトZOOによる開園時間延長が集客増の一因となった。
  • 「トヨタ博物館」(愛知県長久手市)、「愛・地球博記念公園(モリコロパーク)」(愛知県長久手市)では、近隣に大規模商業施設が開業したことで周辺エリア全体の集客力が高まり、相乗効果による集客数の増加に繋がっている。
  • 「国営木曽三川公園・138タワーパーク」(愛知県一宮市)、「花フェスタ記念公園」(岐阜県可児市)、「名古屋市農業文化園・戸田川緑地」(愛知県名古屋市)等の屋外施設では、夏から秋にかけての台風・ゲリラ豪雨が集客減に影響した。

■来訪者の動向について<資料③ p.6、7参照>

  • 消費単価については、「消費単価全体」、「飲食」、「乗物・体験等」、「買い物」いずれの項目も「変わらない」が最も多くを占め、大きな変化はみられない。
  • 外国人旅行者については、「増えた」と回答した施設が21施設(29.6%)で、団体旅行の他、台湾、香港、韓国等からの個人旅行者が増加傾向にある。
  • 2017年度は名古屋駅ほか周辺地域で大規模商業施設が開業した。この影響について、「特に影響はなかった」、「好影響・悪影響どちらともいえない」が多くを占める中、業態が類似する施設あるいは近隣の施設では「悪影響」と回答した施設が4施設みられた。

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