自治体が取組むシェアリングエコノミーの動向と、今後の方向性について

2021/05/20 細木 翼、美濃地 研一
自治体
  • 本レポートの趣旨
    • 本稿では三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が自治体を対象に実施したアンケート調査結果を基に、社会的な課題を解決するための手法としてのシェアリングエコノミーの普及状況、シェアリングエコノミーの活用により解決を図りやすい地域課題やシェアする資源、取組を進めていく上でのポイントなどについて、分析を行う。
  • 結果概要
    • シェアリングエコノミーへの取組実績を有する自治体は、アンケート調査回答全体の16%であり、今後の活用意向を有する自治体は61%であった。地域課題を解決する手法としてのシェアリングエコノミーに対する関心は高まっているといえる。
    • 経済活動としてのシェアリングエコノミーはインターネット上のプラットフォームを活用することが特徴となっているが、自治体による活用事例は政令指定都市や東京都特別区等の人口集積地の事例が多いことが示唆された。
    • シェアリングエコノミーの推進体制として、多くの自治体はプラットフォーマー(プラットフォームを運営する民間事業者)と連携しているが、中間支援組織が加わる推進体制は多いとはいえない。
    • 取り組みを進めるうえでの課題としては、取組の周知・普及やサービス提供者・利用者に対するフォローなど、地域においてプラットフォームを利用してもらうための工夫が挙げられている。前述の中間支援組織は、これらの役割を担う主体として活動することも多い。
    • シェアリングエコノミーの活用を通じた地域課題の解決や改善の効果があるとする自治体は、アンケート調査回答全体の75%であり、課題を解決するための手法として評価されているといえる。具体的には、プラットフォームの活用による柔軟な施策展開が可能になること、マッチングの精度が向上すること、低コストで施策のICT化を行える側面などが評価されている。
  • アンケート調査実施概要

    • 調査名称 地域課題の解決に向けたシェアリングエコノミーの活用に関するアンケート調査
    • 調査対象 都道府県、政令指定都市、中核市及び三大都市圏内の市町村(東京都特別区部を含む)
    • 調査規模  配布:580件 回収:264件(45.5%)
    • 調査期間  2020年10月~11月
    • 調査方法 対象となる自治体に対して書面により依頼、郵送にて回答(ウェブ上からの回答も可とした)

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