在宅勤務を成功させるために必要な企業の取組 在宅勤務は何をもたらすか⑥まとめ

2021/07/05 野田 鈴子、森芳 竜太、横山 重宏
テレワーク
在宅勤務は何をもたらすか
独自調査

趣旨

  • シリーズ「在宅勤務は何をもたらすか」では、これまで5回にわたり、在宅勤務を行う労働者の心身の健康や生活時間、仕事に対するモチベーション等に関する分析を行ってきた。
  • 本稿では、これまでのレポートを総括し、①モチベーション・効率性、②身体の健康、③メンタルヘルスの3つの観点から、在宅勤務を成功させるために、企業はどのようなことに取り組めばよいのかを改めて整理する。分析の詳細については、各レポートを参照いただきたい。

在宅勤務を成功させるための企業の取組

1.在宅勤務中の社員のモチベーションや効率性を高めるためには何が必要か

  • 在宅勤務を効率的・効果的に進める上では、PCスペック増強等、ICTスキル獲得等といったハード面の整備とその環境を生かすソフト面の支援が重要である。
  • 同居する高校までの子どもがいる場合、男女問わず、在宅勤務と家事・子育ての両立推進がより重要となる。
  • 部下・メンバーの仕事の効率性・モチベーションを維持するマネジメントの取組としては、上司・リーダーは、業務指示を明確にし、部下・メンバーが自らの役割や責任範囲を理解した上で業務に取り組めるようにするとともに、仕事の成果につながる仕事ぶりを積極的に把握し、部下・メンバーが在宅勤務下であっても適正に評価されているという納得感を持てるようにすることが重要である。
  • 上司・リーダーは、部下・メンバーの間でのマネジメント方法の意識合わせを十分に行うなど、自身が考える以上に部下・メンバーに「わかりやすく伝え・聞く」マネジメントを行う必要があるといえる。

2.在宅勤務中の社員の身体の健康を維持するためには何が必要か

  • 企業が長期的に社員の健康管理・増進に取り組むことは、在宅勤務中の社員の運動時間を増やすとともに、社員の業務効率を高めることにつながる。

3.在宅勤務中の社員のメンタルヘルスを維持するためには何が必要か

  • 企業が長期的に社員の健康管理・増進に取り組むことは、在宅勤務中の社員のメンタルヘルス悪化の予防につながる。メンタルヘルスに関する情報提供や、相談窓口の設置は有効な施策と考えられる。
  • 自社独自で社員のメンタルヘルス対策を進めることが難しい中堅・中小企業は、社外資源を活用することも有効である。

続きは全文紹介をご覧ください。

【シリーズ「在宅勤務は何をもたらすか」タイトル一覧】

① 在宅勤務者の人数規模と属性
② 在宅勤務に伴う家事・育児時間及び運動時間の変化
③ 在宅勤務者のメンタルヘルスの現況
④ 在宅勤務に伴う「体力」の低下
⑤ 在宅勤務者の仕事のモチベーション・効率性に影響を及ぼす要因の検討
⑥ 在宅勤務を成功させるために必要な企業の取組・・・<本稿>

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