深刻化する人道危機に求められる対応:民間連携によるイノベーションの活用可能性
2022/04/08 田口 涼子、江岸 伸
人道危機
グローバルビジネス
概要
今日、世界の人道的ニーズが拡大する一方、支援に必要な人的・資金的資源は限られており、それらを活用するための対策の検証が喫緊の課題とされている。一つの解決策として、2016 年の世界人道サミット以降、国連などの人道支援機関と民間セクターとの連携によるイノベーション活用が注目されるが、どのようなイノベーションが望まれるのか日本では議論が成熟していない。
そこで本調査では、人道支援に求められるイノベーションやその期待される効果を整理・検討することで、民間連携を促進させるために必要な対策を明らかにすることを目指した。調査結果では、人道支援で特に注目を集めるイノベーションとして、‘blockchain’、‘artificialintelligence’、‘drone’、‘virtualreality’等が推測された。また、複数の人道支援機関が関心を寄せるイノベーションの活用事例を取り上げ、現場で期待される効果と共に技術活用の課題を整理した。加えて、民間セクターとの連携によるメリット及び課題の検討も行った。最後に、それらを踏まえ、特に日本の民間セクターとの連携を念頭に、関連するアクター(政策立案者・人道支援機関・民間セクター)ごとに必要と思われる支援策の提言を行った。
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