2013年東海3県主要集客施設・夏休み集客実態調査~酷暑で明暗。出控え招き、屋外型施設を中心に苦戦。「涼」を感じる施設では堅調。三重県施設は遷宮効果で集客増。~

2013/10/04 内田 克哉
東海
独自調査

三菱UFJフィナンシャル・グループの総合シンクタンクである三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(本社:東京都港区 社長:藤井秀延)は、、「2013年東海3県主要集客施設・夏休み集客実態調査」(東海地方の主要集客施設81施設へのアンケート調査2013年9月)を実施し、回答を得た80施設の夏休み(7月20日~9月1日の44日間)の集客実態を分析しました。

【調査結果の概要】
  • 今年の夏休みは、期間中長期に及んだ酷暑が大きく明暗を分ける結果となった(参考:名古屋では夏休み期間中20日間(45%)が猛暑日、盆休み期間を含む連続12日間も記録)。
  • 夏休み期間中の集客数トップは、ナガシマリゾート(三重県桑名市)で、256万人。次いで刈谷ハイウェイオアシス(愛知県刈谷市)が126万人、中部国際空港セントレア(愛知県常滑市)の106万人と、トップ3は昨年と変わらず。ナガシマリゾートはプール内の新アトラクションにより集客が高まったものの、夏休み後半の悪天候等も影響し、前年比で15万人減となった。2位の刈谷ハイウェイオアシスも前年比で1万8千人減少し、猛暑の影響により公園エリアの利用者が減少した事が影響しているといえる。3位の中部国際空港セントレアは、メディアタイアップイベントを開催して集客性を高めたほか、猛暑の影響を受けにくい屋内施設ということもあり、前年比で8万人の増加となっている。
  • 夏休み期間中において前年と比較してみると、前年と比較できる79施設のうち、35施設(44%)が集客数を増やし、44施設(56%)が減少する結果となった。
  • 前年比で増加した施設をみると、猛暑に需要が高まる海水浴場やプールを有する施設が目立つ。また、水族館や水遊びが出来る施設も好調であり、「水」「涼」が連想出来る施設が集客数を伸ばしている。
  • 一方、前年比で減少した施設は、屋外型レジャー施設が多く、熱中症への警戒等、猛暑は集客数が伸びない要因の一つとなっている。

(外的要因の影響について)

  • 猛暑の影響については、プール保有施設、海水浴場、水族館、水浴びが可能な施設を中心に、全体の約5分の1の18施設(23%)が「好影響を受けた」と回答、約5分の2の30施設(38%)が「悪影響を受けた」と回答し、猛暑を悪影響とした施設数が上回っている。一方で、26施設(33%)は「どちらともいえない」と答えており、また海水浴場や屋内型施設でも猛暑を悪影響と回答した施設があることから、度を超えた猛暑は出控えを招き、必ずしも、水のレジャーや屋内型施設に好影響を及ぼした訳ではない。一方で、ナイトイベントの開催(豊橋総合動植物公園のんほいパーク等)や、水辺を使ったイベント等(国営木曽三川公園・河川環境楽園等)、趣向を凝らした取り組みにより猛暑による集客減をカバーした施設も見られた。
  • 伊勢神宮の式年遷宮について好影響と回答した施設は8施設。その内、三重県内の施設が7施設を占め、近隣施設への集客効果が見られる。特に二見プラザは前年比86%増、伊勢・安土桃山文化村は前年比25%増、鳥羽水族館は前年比18%増を示す等、対前年比増減順で上位10以内に入る結果となった。
  • 安倍政権の経済政策(アベノミクス効果)について、直接的に好影響があったと回答したのは4施設に留まった。
  • 外国人旅行者の動向では、14施設(18%)が「以前よりも増えている」と回答しており、特にタイからの旅行者の増加、中国からの旅行者の回復が目立つと回答されている。「以前よりも減った」とした施設は1件、「変わらない」が31施設(39%)であり、東海3県全体では堅調に増加傾向にあると言え、特に東南アジア、東アジアからの訪日旅行が目立っている。

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