エッジAI
エッジAIとは、機械学習を用いた画像処理や自然言語処理等のAI処理を、クラウド上のサーバーではなく、手元の端末(エッジ)で行うAI処理を指す。
通常のAI処理の多く(クラウドAI)は、現場で得られたデータを遠く離れたクラウドやデータセンターまで送っているが、これらの手法では、データの送受信に伴う遅延やネットワークへの高負荷といった問題を引き起こす。近年ではAI処理の即時性を求める場面が増えていることから、クラウドAIではなくエッジAIへの要望が高まってきている。
エッジAIの代表的な事例として、自動運転がある。
自動運転でレベル3(ある条件下において車線変更、追い越し等の高度な自動運転を行うこと)を達成するには、高精度3次元地図データ(HDマップ)とカメラ、ミリ波、レーザー等と統合したAI処理を高速で処理する必要があり、エッジAIが必須となる。さらに高レベルの自動運転を実現するためには、ビジョンシステムというカメラを使った仕組みによる「高性能なAIを教えるAI」といった、より高度なエッジAIが必要となってくる。
日本でも、車載OSや高速処理のできるAIアクセラレータを開発して、グローバル企業と戦えるエッジAIのスタートアップが出現しつつある。ただし、EV制御、通信、内装、人間とインターフェースとの統合といった処理を低電力で実現する必要があり、今後のさらなる技術開発が求められる。