FMEA(故障モード影響解析)

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FMEA(Failure Mode and Effect Analysis:故障モード影響解析)とは、製品やプロセスの潜在的リスクを特定し、故障やトラブルを未然に防止する手法を指す。起源はアメリカの軍事産業にあるといわれており、その後アポロ計画をはじめとする宇宙産業や、自動車産業等の製造業を中心に広がった。
現在ではIATF16949 (自動車産業に特化した品質マネジメントシステムの国際規格)における5つのコアツールのひとつに挙げられる等、品質マネジメントには欠かせない手法となっており、製品設計と工程設計それぞれの初期段階でFMEAが実施される。

FMEAの一般的な実施手順の一例を以下に示す。

  • (1)対象システム(製品、工程等)の構成要素を整理し、目的や機能を明確化するとともに、故障を定義する。
  • (2)機能の細分化やキーワードからの類推、過去の知見の活用等により、各構成要素に関して考えられる故障モードを洗い出す。
  • (3)故障原因を推定し、故障の影響の厳しさと発生確率、故障の検出のしやすさ等を評価する。
  • (4)評価結果を踏まえ、リスクが大きく対策すべき故障モードを抽出し、未然防止策を検討・実施する。

過去の知見・経験の活用によって分析精度や効果を高められることから、過去の製品や技術情報、FMEAを通じて行った対策とその結果もあわせてデータベース化し、継続的にFMEAを実施できる体制を構築することが重要である。

製造業以外にも幅広い産業分野で使用されており、医療や接客業等におけるリスク管理や、サービス品質改善手法としても取り入れられている。また、環境マネジメントへの活用も進んでおり、製品やサービスが環境に与え得る影響を解析し、環境被害を未然に防ぐためにも用いられている。