LCA
Life Cycle Assessment(ライフサイクルアセスメント)の大文字部分の頭文字をつなげた略語であり、口頭では「エルシーエー」と読む。ある製品が原料の入手にはじまり、製造され、廃棄されるまでのバリューチェン全体で起きる環境への潜在的影響を評価する手法ないし概念を指す。
ICE(内燃機関車)とEV(電気自動車)それぞれの環境負荷について、比較を用いて説明する。EVは材料精製や製造時や、破棄時に多くの二酸化炭素を排出する二次電池や電力制御用の半導体がICEよりも多く使われているにもかかわらず、ICEとEVの環境負荷評価では、走行時のみ評価され、EVはICEよりも二酸化炭素排出量が少ないと評価されることがある。このような場合、LCAによって走行時のみでなく製造から破棄まで含めた総合的な環境負荷を比較することができる。LCAが最初に提唱されたのは1969年のコカ・コーラ社の「飲料容器に関する環境影響評価に関する研究」と言われている。この研究の内容は、リターナフルビンと使い捨て瓶の環境への影響を比較するものであった。
今後のLCA評価の課題の1つとして、業界間の連携が挙げられる。LCAはサプライチェーン全体の製造過程が複数社・複数業界にまたがって構成されていることが多く、1社のみで完結して二酸化炭素排出量を算出できるケースは稀であるためである。