ベストオブブリード(Best of Breed)
ベストオブブリード(Best of Breed)とは、業務システムを構築する際に、複数ベンダーの業務システム・アプリケーションを組み合わせて構築することを指す。
各業務分野で使い勝手の良い最適な業務システム・アプリケーションを利用できる、業態の変化に合わせて業務システム・アプリケーションをおのおの更新していける、などのメリットが存在する。一方で、業務システム・アプリケーションごとに利用料金の窓口が異なる、ツール同士の連携ができない場合はデータの集約が困難になる、といったデメリットも存在する。
近年は、特定業務に特化したSaaSが数多く出現し、また、基幹システムとつなぐためのインターフェースが標準的に用意されるようになったため、システム構造的にいいとこ取りの構成が可能になった。そのため、ベストオブブリードの考え方にのっとったシステム構築が注目を浴びている。
ベストオブブリードの考え方に基づいたシステム構築の対比として、スイート(Suite)という考え方が存在する。スイートとは、単一ベンダーが提供する業務システム・アプリケーションのみで全業務範囲をカバーすることを意味しており、導入する業務システム・アプリケーションが特定の単一ベンダーに依存している点において、ベストオブブリードと異なる。
スイートのメリットとしては、支払窓口が一元化できるといった点が挙げられる。一方、デメリットとしては、導入企業独自の特徴を持つ業務に合わせた業務システム・アプリケーションの導入が困難である、といった点が挙げられる。
スイートの考え方に基づいた業務システム・アプリケーション導入時に、アドオン開発を実施したことでシステム開発費用が莫大になった、という失敗事例が存在する。スイート型の業務システム・アプリケーションに導入企業の業務フローを合わせるという対策もあるが、ベストオブブリードの考え方もあると知っておけば、問題解決の選択肢も増えることをあらかじめ認識しておきたい。