バイオマス発電

facebook x In

バイオマス発電とは、生物由来の材料(バイオマス)を燃料材とした発電方法を指す。
燃料材としては、主に建築資材廃棄物、製材残材、間伐材やPKS(パーム椰子殻)が用いられ、植物により固定化された炭素を利用するため、再生可能エネルギーに位置づけられている。

バイオマス発電は燃焼方式により、以下の3つに大別される。

  • (1)直接燃焼方式
    燃料材を直接燃焼して発電する方法。
  • (2)熱分解ガス化方式
    高温で処理してガス化させ、ガスエンジンを駆動させることにより発電する方法。
  • (3)生物化学的ガス化方式
    生ごみや汚泥等を発酵させ、バイオガスを発生させることにより発電する方法。

用いる燃料材の種類や発電容量により、それぞれ適正が異なるため、利用シーンにあわせた選定が必要とされる。
バイオマス発電のエネルギー効率は30%程度と高くないが、発電時に発生する熱を有効活用する熱電併給システムとすることで、70%を超えるエネルギー効率が実現可能となる。

一般に発電容量が大きいほど事業性は安定してくるが、発電容量に反比例する形で燃料材の確保の難易度が高くなる。近年では、燃料材が確保できないことから稼働停止に追い込まれる事例が発生しており、バイオマス発電の計画・稼働時における燃料材の確保の重要性が高まっている。
また、発電コストの半分以上を燃料材が占めていることから、本事業の成功のためには、燃料材の低コスト調達も重要な要素となっている。

(羽生 直人)