フードテック
フードテック(FoodTech)とは、「Food」と「Technology」を組み合わせた造語で、世界の食料・環境問題の課題解決への貢献を目的とした、食品産業に革新をもたらす技術のことである。
フードテックに関する主な取り組みを、以下に挙げる。
(1)新たな食料源の開発
【目的】動物福祉、さまざまなタンパク質源の活用、豊かで持続可能な食料供給、環境負荷低減
【取り組み概要】
- A.植物由来の代替タンパク質:大豆やえんどう豆などの植物由来の原料から作られる植物肉の開発
- B.昆虫食・昆虫飼料:昆虫の粉末などを原材料に使用した食品や飼料の開発
- C.ゲノム編集食品:ゲノム編集(生物のゲノム内のDNA配列を意図的に切断し、特定の遺伝子を変化させる技術)による品種改良食品の開発
- D.細胞性食品:動物や植物の細胞を培養した食品の開発
(2)デジタル技術の活用
【目的】人手不足改善、業務効率化、持続可能な食料供給
【取り組み概要】
- E.スマート食品産業:AIロボットによる盛り付けやAIによる食品需要予測など、人工知能を搭載した機械の開発・導入
- F.アグリテック、スマート水産業:一次産業に対するICTなどの機械・システムの開発・導入
- G.デリバリーサービス:自動運転技術を搭載した宅配ロボットの開発・導入
(3)消費分野の改善
【目的】食品ロス削減、環境負荷軽減
【取り組み概要】
- H.食品ロス削減・アップサイクル:食品産業からの廃棄物などを活用した食品製造技術の開発
- I.鮮度維持:食品の鮮度を保つための包装素材や食品運搬システムの開発
(4)健康促進
【目的】豊かで健康な食生活
【取り組み概要】
- J.ヘルスフードテック:健康管理アプリやAIが献立を設計するサービス、介護食などの技術開発
世界におけるフードテック分野への投資は、過去10年間で10倍に増加するなど、活発に行われていることから、今後も成長が期待される分野である。
(中島 美遥)