PEST分析とは、Politics（政治）・Economics（経済）・Society（社会）・Technology（技術）という4つの視点から、対象企業及び属する業界に与える影響の要因を見出し、今後の動向を把握することを目的とした外部環境分析手法の1つである。

PEST分析はマクロ環境の動向が対象企業・業界のビジネスに与える影響を分析することで、3年～5年程度先の未来を予測し、その未来を見据えて経営戦略や商品戦略等の立案に活用することに役立つ。
しかし、前提としてマクロ環境の変化を100%予測することは困難であるため、対象企業や属する業界にとって重要な要素を抽出し、様々なパターンを想定することが重要である。また、PESTの各項目はそれぞれ独立しているわけではなく、相互に影響を与え合って変化していくことも考慮しながら分析を行う点も注意しなければならない。

外部環境分析としてPEST分析のみで具体的な今後の戦略を立案することは出来ないが、他の分析と組み合わせて、世の中の流れに沿った戦略の方向性の導出に活用することが可能である。加えて、PEST分析は海外進出の際に、進出する国のリスクやポテンシャルを把握することにも有効なフレームワークであり、客観的な視点から分析結果を捉え、外部環境を自社の内部環境にどのように当てはめていくかを考えていくことが大切である。

（張 智視）