VUCA(ブーカ)

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VUCA(ブーカ)とは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った略称である。
変化が激しく、先行きが見えにくく、複雑で、曖昧である状況を意味し、経営判断の難しい現代ビジネスシーンを表現する際の言葉として用いられる。
2020年に発生した新型コロナウイルス感染症や、2022年に始まったロシア・ウクライナ戦争といった世界情勢の不安定化、AI(人工知能)をはじめとした急速な技術革新などにより、ビジネス環境の予測が困難であることから、「VUCAの時代になった」といった使い方がされている。

VUCAは元々、1990年代に軍事用語としてアメリカで生み出された。
それまでの国同士の戦争においては、軍の参謀が情報に基づいて戦略を立てて動くなど、ピラミッド型の組織でトップダウンの指令が出されていた。しかし1990年代に入り、国同士ではなく、指示系統も曖昧なテロ集団との戦争となり、これまでの戦争の常識が通じなくなった。そのため、こうした軍事戦略の複雑化を指して、VUCAと呼ぶようになったといわれる。

VUCAの時代の特徴として、情報やビジネスモデルなどがすぐに陳腐化してしまうことが挙げられる。そのため、ビジネスシーンにおいては、一層スピード感を持ったリスク判断や、多様性の受容、ブレないビジョンに基づく経営姿勢の重要性が指摘されている。

(渡邉 睦)