コンティンジェンシープラン
コンティンジェンシープラン(Contingency Plan)とは、緊急事態が発生した際に、事業への影響を最小限にとどめるために実施する施策や行動指針を記した計画書を指す。
特に、顧客・関係企業が多岐にわたる企業や、緊急時でも社会的責任を果たす必要がある企業(例:インフラ系企業、公的機関)ほど、策定の優先度が高い。
VUCA時代と呼ばれる昨今では、国際紛争や技術革新、経済状況の急激な変動等、場所・時間を問わずさまざまなリスクが存在する。
そのため、リスクを所与とし、それに備えるコンティンジェンシープランの必要性が高まっている。
コンティンジェンシープランは、以下の3ステップで策定することが一般的である。
- 策定目的、基本方針を設定
- 業務と業務遂行に必要な経営資源を棚卸しし、それらが直面するリスクを抽出
- リスクが及ぼす影響に鑑み、緊急時の具体的施策=コンティンジェンシープランを策定
(例:緊急時の業務体制、オフィスが利用できない場合の代替場所等)
コンティンジェンシープランは策定するだけでなく、緊急時に活用されるよう社内周知や予行演習を行うことも重要である。
コンティンジェンシープランと混同されやすいものに「BCP(事業継続計画)」がある。
両者の共通点は「事業に関するリスクを事前に抽出し、対応策を策定する」という点である。
相違点は策定目的で、コンティンジェンシープランの策定目的が「緊急事態に対して迅速・適切に対応できるようになること」であるのに対し、BCPの策定目的は「緊急事態においても事業を継続すること」である。
(片桐 涼)