グローバルサウス
グローバルサウスとは、インドやブラジル、タイ、南アフリカのような、南半球に位置するアジアやアフリカ、中南米地域の新興国・途上国の総称である。
グローバルサウスと称される国は、かつての冷戦時代に「第三世界」と呼ばれていた国々である。しかし2050年までに、グローバルサウスの名目GDPの合計が、アメリカや中国を上回ると予測されている。さらには人口面でも、グローバルサウスの国々で全世界の3分の2を占めるようになると予測されており、国際社会において経済的・政治的に注目が集まっている。
近年、ウクライナ危機や米中対立が深刻化するなかで、先進国における民主主義と権威主義の対立が激しさを増してきている。一方で、これらグローバルサウスの国々は「中立」の立場を示し、どの国にも加担せず、対立に取り込まれることを避けるケースが目立つ。こうした状況において、特にインドはグローバルサウスの声を増幅させる必要性を訴え、リーダーとしての地位を強調するような動きを見せている。
世界における経済成長性や、その立ち位置から、グローバルサウスは新たな勢力として存在感を増してくるだろう。
(遠藤 大介)