クープマンの目標値
アメリカの数学者B.O.クープマンが「ランチェスター戦略モデル式」を参考に導出した、市場シェアに関する目標値。対象市場における企業や製品・商品の市場における意味づけ(ポジショニング)、競争上の優劣を評価することができる。
具体的には、目標とするシェアに応じて「独占的市場シェア」「安定的トップシェア」「市場影響シェア」「並列的競争シェア」「市場認知シェア」「市場存在シェア」の6つの目標値に区分される。
- 独占的市場シェア:73.9%
独占的寡占状態となり、トップが絶対安全かつ優位独占の状態を築くことができる。市場をコントロールすることが可能となり、他社は短期的な市場シェア奪還が困難となる。 - 安定的トップシェア:41.7%
3社以上が参入している市場の場合、業界における強者として優位な地位を確保でき、安定した事業展開が可能となり、下位企業はシェアアップが困難となる。 - 市場影響シェア:26.1%
一般に、業界トップないし市場に影響力を有する地位を確立できる。このシェアを獲得した企業が新商品投入等の行動を取った際に、競合企業も同調を含めた対抗手段を行う必要がある。 - 並列的競争シェア:19.3%
複数企業で拮抗する競争状態によく見られるシェアで、安定的トップの地位をどの企業も得られていないケースが多い。競合他社に先んじて市場影響シェアを獲得することが目標となる。 - 市場認知シェア:10.9%
生活者において純粋想起がなされるレベルのシェア。市場においても競合他社から存在を認められるようになるが、シェア争いも激しくなる。 - 市場存在シェア:6.8%
生活者において助成想起がなされるレベルのシェア。市場においてようやく存在が許される、最低レベルの位置づけ。
関連用語として「ランチェスターの法則」がある。