価値創造ストーリー

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価値創造ストーリーとは、企業が自社の理念やビジョンに基づき、自社の資本を活用していかに価値を創造するかを表すフレームワークを指す。企業の経営戦略や事業活動が、どのように社会貢献や持続可能な発展に結びついているかについて、ステークホルダーに対して分かりやすく伝える役割を果たす。

「価値創造ストーリー」の作成では、特に旧国際統合報告評議会(以下、旧IIRC)のフレームワークが広く採用されている。旧IIRC発行の「国際統合報告フレームワーク」では、「価値創造」は「組織の事業活動とアウトプットによって資本の増加、減少、変換をもたらすプロセス」と定義され、「企業報告の次なる発展は、価値創造についてのコミュニケーションにある」とされている。

近年、「価値創造ストーリー」は統合報告書やCSR報告書などで広く活用され、ステークホルダーとのコミュニケーションを深化させるツールとして注目されている。

「価値創造ストーリー」では、自社の資本を明確にした上で、それら資本が自社の事業活動を通してどのようなアウトプットにつながるのか、また、そのアウトプットが長期的にどのように自社のESG経営に結びつくのか、といった点の明記が重要である。「価値創造ストーリー」を通じて、企業は資本の活用と価値提供の全体像を効果的に伝えるだけでなく、ESG経営の推進や持続可能な成長へのコミットメントを示すことが可能となる。