メタネーション
水素と二酸化炭素から都市ガス原料の主成分であるメタンを合成する技術を指す。
メタネーションでは工場等から回収された二酸化炭素が合成メタンの原料となるため、合成メタン燃焼時に排出される二酸化炭素は回収した二酸化炭素とオフセット(相殺)され、大気中の二酸化炭素量は増加しない。
メタネーションは、政府が2021年6月に策定した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」において、「次世代熱エネルギー産業」に位置付けられ、今後成長が期待される重要分野の一つとされている。
メタネーションには大きく2つのメリットが存在。
(1)環境負荷小
天然ガス(主成分:メタン)燃焼時の二酸化炭素排出量は、石炭燃焼時の二酸化炭素排出量の約半分、石油よりも少ない。
また、メタンの原料である水素を水の電気分解で生成する際、電力を再生可能エネルギーとして使用すれば、水素生成時に二酸化炭素が発生しないため、より一層の脱炭素実現が可能。
(2)既存の都市ガスインフラを利用可
都市ガスの原料である天然ガス(主成分:メタン)を合成メタンに置き換える際、都市ガス導管やガス消費機器等の既存のインフラ・設備は引き続き活用が可能。これにより、経済的なコストを抑制しながら脱炭素化を推進出来るとされている。
(能登 優)