ラストワンマイル(運輸)
物流業でのラストワンマイルとは、最終物流拠点からエンドユーザー(生活者)に物・サービスが到達する物流サービスにおける最後の接点のこと。
「最後の1マイル」とは、距離的な意味でなく、商品を届ける物流の最後の区間を意味する。
(英語:last one mile、last 1 mile)
イーコマース(EC)市場への新規参入事業者が年々増加し、市場が成長し続けている中において物流業者は他社との差別化させるために“送料無料・即日配送”などのサービスを提供し始めた。従来、大手事業者は“物流拠点を集中させ、ラストワンマイルは宅配業者に任せる”という物流網を構築していたが、当日・翌日配送を売りとするEC事業者の販売戦略をサポートする形で、エンドユーザーに近い所に配送拠点を作ることで当日配送を実現した。
取り扱う物量が増加する一方で、物流事業者は“人手不足” “人材の高齢化” “労働環境の悪化”といった課題に直面し始めており、これまでのような質の高いサービスの提供が困難となっている。この問題を解決させるために、マンションや自宅に設置するような簡易的な宅配ボックスの普及、コンビニ・駅など日常生活で利用機会の多い場所での受け取り型サービスの拡大、受け取りロッカー設置の普及、ドローンによる配達といった試みが今後期待される。
(井上 大輔)