RaaS(ラース)
Retail as a Serviceの頭文字を取った略称で、「ラース」と読む。日本語に訳すと「小売業のサービス化」を意味し、商品を仕入れて販売するという従来の小売業のビジネスモデルとは異なり、小売業の機能や仕組み等を外部にサービスとして提供することを指す。
小売業の保有する顧客データ、販売スキル・ノウハウ等とテクノロジーを組み合わせて提供されるサービスで、顧客である消費者を取り巻く環境や消費者意識の変化が激しい現在、小売業の新たなビジネスのあり方として注目されている。
代表的な事例として、MicrosoftとアメリカのスーパーマーケットチェーンであるKroger(クローガー)が共同開発したスマートシェルフ(デジタルサイネージを搭載した陳列棚)や、Amazonが開発した無人決済システムがある。
国内においては、アパレル、食品、日用品、家電等、多様な小売業が存在するが、いずれの小売業も安く仕入れて安く販売することで顧客を獲得するビジネスモデルが中心であったため、価格競争に陥り、結果として、他業種と比べて平均的な利益率が低い状況にあった。
RaaSには、そのような状況を打破する小売業の新たな収益源として期待が高まっている。