サーキュラーエコノミー(循環経済)

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従来の3R(Reduce:リデュース Reuse:リユース Recycle:リサイクル)の取り組みに加え、資源投入量・消費量を抑制しつつ、サービス化等を通じて付加価値を創出する経済活動であり、資源・製品価値の最大化、資源消費の最小化、廃棄物発生抑止等を目指すもの。

エレン・マッカーサー財団(イギリスに拠点を持ち、2010年に設立された世界のサーキュラーエコノミーを推進する組織)はサーキュラーエコノミーの3原則として、「DESIGN OUT WASTE AND POLLUTION:廃棄物や汚染を生み出さない設計(デザイン)を行う」・「KEEP PRODUCTS AND MATERIALS IN USE:製品や原材料を使い続ける」・「REGENERATE NATURAL SYSTEMS:自然のシステムを再生する」を掲げている。3Rとの大きな違いは、廃棄を前提としているか否かである。3Rは最終的には廃棄される考え方であるのに対し、サーキュラー・エコノミーは、原料調達段階から再利用を前提とし、従来廃棄されていた物も原料として再活用する事で、できるだけ新たな資源を投入する事無く循環させていく事を目指す。

大量生産・大量消費型の経済社会活動は、健全な物質循環を阻害する他、気候変動、天然資源の枯渇、大規模な資源採取による生物多様性の破壊等、様々な環境問題に影響を与え、資源・エネルギーや食糧需要の増大や廃棄物の増加が世界全体で深刻化している事から、一方通行型の経済社会活動から、持続可能な形で資源を利用するサーキュラーエコノミーへの移行を目指す事が世界の潮流となっている。サーキュラーエコノミーへの移行は、企業による事業活動の持続可能性を高める事から、ポストコロナでの新たな競争力の源泉となる可能性を秘め、現に新たなビジネスモデルの台頭が国内外で進んでいる。

(能登 優)