CRE戦略

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CREとは、Corporate Real Estateの頭文字を取った略称で、日本語では「企業不動産」と訳される。企業の経営資源の一つであり、事業を行うために必要なオフィスや店舗、工場だけではなく、福利厚生施設や社宅、遊休土地などの不動産も対象となる。
CRE戦略とは、企業が保有または賃借している土地や建物といった不動産資産を、経営戦略・財務戦略と連携させながら最適化することで、企業価値の向上を図ることである。

CRE戦略の主な目的は以下の通りである。

(1)経営コスト削減
・不要な不動産の売却や統廃合により、賃料、管理費、修繕費などのコストを削減する。
・立地の見直しにより、人件費や輸送コストを削減する。

(2)収益源確保
・遊休不動産の賃貸や開発により、新たな収益源を創出する。

(3)財務体質改善
・含み益のある不動産売却により、キャッシュを創出する。
・含み損のある不動産処分により、バランスシートを改善する。
・財務体質強化で資金調達力を向上させる。

(4)経営資源最適化
・本業に必要な不動産(コア不動産)への経営資源を集中させる。
・非本業不動産(ノンコア不動産)の売却や賃貸借により、資源を再配分する。

(5)リスク分散
・不動産ポートフォリオの最適化により、リスクを分散させる。

CRE戦略は経営戦略の一環として位置付けられ、企業経営に不可欠な要素となっている。事業ポートフォリオ戦略と整合性を取りながら、CRE戦略を通じて経営資源の全体最適化を図る必要がある。
また、CRE戦略は中長期的な視点から、時代や経済の変化に合わせて柔軟に対応していく戦略である。 そのため、企業は不動産の価値を常に見直し、ベストなタイミングと選択で不動産価値の最大化を図ることが求められる。