CVC
CVCとは、Corporate Venture Capitalの頭文字を取った略称で、事業会社が自己資金でファンドを組成し、主に未上場新興企業(ベンチャー企業)に出資や支援を行う活動を指す。
一般的に大きな利益の獲得を目的とするベンチャーキャピタルはさまざまな分野のベンチャー企業を投資対象とするが、CVCは投資・支援活動を通して自社事業との相乗効果を得ることが目的である。そのため、CVCでは基本的には自社の事業内容と関連性があり、自社事業の収益に寄与すると思われるベンチャー企業に投資する。
CVCのメリットは自社事業との相乗効果を得ること以外に以下の4つが挙げられる。
- ●開発中のユニークな技術やアイディアと連携できる
- ●新市場への参入や新規事業の立ち上げリスクを軽減できる
- ●有望なベンチャー企業と早期に接触できる
- ●自社事業領域への追加投資を行うという社内外へのメッセージ機能(関係者の目につきやすくなる、投資家へのアピールなど)
一方、デメリットとしては以下の二つが挙げられる。
- ●結果が出るまで時間がかかる
- ●ハイリスク・ハイリターンである
近年、イノベーションの実現に向けて、自社リソースだけでなくベンチャー企業が持つケイパビリティを活用するために、大企業を中心にCVCを設立する企業が増えてきている。
(高畑 真人)