CVP分析

facebook x In

CVP分析とは、費用(Cost)、販売量(Volume)、利益(Profit)を把握することで、販売量の変化に伴う利益と費用の変化を分析する手法を指す。
売上と費用の関係から損益分岐点を導き、経営判断に利用することから、損益分岐点分析ともいう。自社のコスト構造や限界利益を把握し、利益創出に向けた活動の方向性を定めるために用いる。

CVP分析は、以下のパラメーターを用いてグラフ化することで分析を行う。

  • 売上高:企業の売上高。販売量に応じた売上高で定義する。
  • 変動費:販売量に比例して発生する費用(原材料費、製造費など)。
  • 固定費:売上の増減に関係なく発生する費用(人件費、賃借料など)。

縦軸に売上高・費用を取り、横軸に販売量を取ってグラフ化することで分析を行っていく。売上のラインと変動費のラインの交点を、損益分岐点と呼ぶ。利益を上げるためには、損益分岐点を超える量・金額を販売しなければならない。

CVP分析において、費用を変動費と固定費に分ける作業を「固変分解」という。
固変分解には、経費を勘定科目ごとに分類する「勘定科目法」と、売上高と総費用の関係を最小二乗法で、回帰分析して求める「最小二乗法による分析方法」がある。
勘定科目法は損益計算書があれば実施できるものの、固定費・変動費が混在している経費の扱いが難しい。一方、最小二乗法による分析方法では費目ごとの分類は不要だが、複数年度の決算書が必要なことと、事業が安定していない状態では正しい分析が難しいといったデメリットがある。

(羽生 直人)