ジニ係数

facebook x In

ジニ係数とは、所得が完全に平等に分配されている場合に比べてどれだけ分配が偏っているかを数値に示したもので、ある社会における所得格差を測る指標である。
ジニ係数の値は0から1の間をとり、係数が0に近づくほど所得格差が小さく、1に近づくほど所得格差が大きいことを示す。

このジニ係数は「ローレンツ曲線」(世帯所得の低い順に、横軸は世帯数の累積比、縦軸は所得の累積比でグラフ化したもの)を用いて求められる。

ジニ係数には、「当初所得ジニ係数」と「所得再分配ジニ係数」の2種類がある。

  • 当初所得ジニ係数
    税金や社会保険料の徴収、社会保障制度による支援などがなされる前の所得を基に計算する。
  • 再分配ジニ係数
    税金や社会保険料の徴収、社会保障制度による支援などがなされた後の所得を基に計算する。
    • このように2種類のジニ係数を比較することで、それぞれの国家における所得格差の程度や、社会保障などの政府による再分配機能の効果を調べることができる。

      一方で、ジニ係数はある社会の中での所得格差を算出するものであり、以下のような内容には留意が必要である。

      ・国家間での貧富の比較はできない(例:日本と他国ではどちらが裕福か)。
      ・所得のみに着目した指標であり、物価およびモノやサービスの品質は比較できない。

      日本のジニ係数について、当初所得ジニ係数は上昇傾向にある一方で、所得再分配ジニ係数は1999年ごろより0.38前後で推移している。
      これにより、社会保障・税の再分配機能に一定の効果があることを示していると分かる。
      1981年→1999年→2021年の推移は以下の通り。
      当初所得:0.349→0.472→0.570
      所得再分配:0.314→0.381→0.381