GX

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GX(ジーエックス/グリーントランスフォーメーション)とは、化石エネルギー中心となっている産業・社会構造から、脱炭素エネルギー中心への転換に向けた取り組みのことを指す。

日本はGXを推進すべく、2023年6月にGX経済移行債の発行を発表した。国による支出を確保する目的で発行され、初年度は最大1兆6000億円を調達し、今後10年間で20兆円規模の発行を見込んでいる。
初年度となる2024年2月には、水素製鉄(約2500億円)、次世代半導体(約750億円)、工業炉(約325億円)、次世代原発(約124億円)などの研究開発支援や、蓄電池(約3300億円)、パワー半導体(約1500億円)の生産拡大などへの支援を発表した。

GXは、地球温暖化への対応やエネルギーの安定供給だけでなく、脱炭素に伴う産業活動の活性化の面でも注目されている。ヨーロッパや中国では、既に自国地域の産業における成長の核として、政府・自治体・経済/産業界が連携した産業育成戦略を、大規模な政府投資を進めている。これに対して、産業育成の面で遅れてきた日本も、産業の競争力強化を狙いとする政策を活発化させてきている。
日本政府はGX経済移行債を呼び水に、10年間で150兆円という民間投資の引き出しにつなげることを目指す。日本企業がこれまで強みとして作り上げてきた脱炭素技術をビジネスとして広げ、同時に日本の社会全体で導入するための市場拡大を政府が後押しすることで、グローバルにおける日本のGXに関わる産業の競争力向上と成長を期待している。

(遠藤 大介)