適応学習(アダプティブラーニング)
適応学習(アダプティブラーニング)とは、学習履歴のビッグデータを活用することで、学習者一人一人に個別最適化・効率化された学びを提供することを指す。
メリットとしては、学習効果の最適化や指導品質の均一化、教材やカリキュラムの改善が容易、という点が挙げられる。
また、国は学生に対して、適応学習を積極的に進める方針を打ち出している。2018年にスタートした経済産業省の実証事業の一つ「未来の教室」では、“学びの自立化・個別最適化”が一つの柱として取り上げられたことに加え、文部科学省が掲げる「GIGAスクール構想」も、一人一人に適した教育を提供するという観点では、適応学習を念頭に置いたものである。
加えて、適応学習は個々のスキルや状況に応じてカスタマイズが可能なことから、学生だけでなく、企業における社会人の人材育成を対象としても着目されており、今後も関連市場の拡大が予想されている。
一方で、普及の課題としては、教育現場におけるセキュリティー対策が挙げられる。
現在も適応学習を実現するためのツールが新たに誕生しているが、システム会社や自治体・学校におけるプライバシーポリシー、セキュリティーポリシー制定の重要度は、より高まっていくことになるだろう。
(張 智視)