DeFi
Decentralized Financeの頭文字を取った略称で、「ディーファイ/ディファイ」と読む。日本語では分散型金融という。
ブロックチェーン技術を用いて、銀行等の中央集権的な管理者/管理事業者を介さずに取引可能な金融の仕組みのこと。
従来の金融サービスでは、銀行や証券会社、証券取引所等のように、中央集権的な企業が存在することが当たり前であったが、DeFiにおいては、中央集権的な管理者は存在せず、すべての取引記録はブロックチェーン上に記録される。また、その記録はインターネット上で公開され、誰でも確認が可能となる。
このように、利用者同士が互いに管理し合う仕組みから「分散型金融」とも呼ばれている。また、(中央集権的な管理者がいないため)スマートコントラクトという、あらかじめ設定されたルールにしたがって取引を行うプログラムが用いられている点も特徴となる。
一方で大きな課題として挙げられるのは、「規制や監督の在り方」や「不正取引」である。
前者は、中央集権的な管理者の不在というDeFiの特徴から生まれる課題だ。また、後者については、2021年8月にクロスチェーンプラットフォームである「Poly Network」がハッキング被害に遭い、約660億円の仮想通貨が流出、という事件も発生している(ただし、犯人のアドレスを特定し、外部業者と協力し調査することで、犯人の身元の特定およびほぼ全額の返還に至っている)。
DeFiのサービスの代表的なものに、分散型取引所(DEX:Decentralized Exchange)がある。
分散型取引所とは、暗号資産の取引所であり、交換レートをプログラムで自動計算しつつ、異なる暗号資産同士の交換を可能にする。
(吉川 太清)