デザイン思考

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ユーザー視点に基づいて課題を抽出し、解決するためのアイデアを創出する思考法。

デザイナーがデザイン考案時に用いるプロセスをビジネスに活用したものであり、事業アイデアを検討する際等に用いられる。
従来は企業の強みや保有リソースを出発点として、事業アイデアを検討することが多かった。しかし、VUCAの時代となった現在、ユーザーの持つ課題を迅速に正しく捉えることが難しくなったため、ユーザー体験や意見を出発点とした課題抽出に重きを置くデザイン思考への注目が高まっている。
デザイン思考の大きな特徴として、(1)ユーザーの視点を最重視する、(2)複数メンバーとのアイデア共創を重視する、という2点が挙げられる。
こうした特徴を踏まえると、新規事業のアイデア出しにおいてデザイン思考を採用した場合、多くのユーザーに支持される商品開発が可能となること、他者の意見に対する受容性や発想力の成長が見込めること等のメリットが得られる。一方、出発点となるユーザー体験や意見がない=世の中にまだ存在していない新サービスを創出するには不向きである、というデメリットもある。

デザイン思考を実践する際に、スタンフォード大学のハッソ・プラットナー・デザイン研究所では、次の5つのプロセスを提唱している。なお、5つのプロセスは同時並行・前後してもよい。
(1)観察・共感(Empathize):ユーザーの潜在的な課題やニーズを探索する
(2)定義(Define):観察・共感した内容を深掘りし、取り組むべき課題を定義する
(3)概念化(Ideate):定義した課題を解決するためのアイデアを、チームで創出する
(4)試作(Prototype):創出したアイデアをもとに、商品やサービスを試作する
(5)テスト(Test):試作品をユーザーに使ってもらい、得られた意見を分析し、定義した課題が解決できたか確認する

(片桐 涼)