ダイナミックプライシング
ダイナミックプライシングとは、商品・サービスの需要変動に合わせて、価格を調整する仕組みを指す。
高需要の時期には価格を上げて客単価を向上させ、低需要の時期には価格を下げて販売量を向上させることで、企業は収益の最大化を図ることができる。
従来は人の手によって価格調整が行われていたが、近年はAIによって行われるようになってきている。具体的には、過去の販売実績や顧客動向などのビッグデータから、価格最適化のアルゴリズムによって、適切なタイミングで適切な価格に調整している。
ただし、企業にとっては、AIを使用したダイナミックプライシングのシステム導入や、運用のコストがかかる点がデメリットになっている。
一方、消費者にとってもメリット・デメリットが双方ある。
メリットは、商品・サービスの購入時期を選べる場合、比較的安価での購入が可能になる点である。
デメリットは、商品・サービスが必要な際は、高額な時期であっても購入しなければならない場合があることだ。
ダイナミックプライシングは、早期に導入された宿泊・航空業界に加え、小売・アパレル・エンタメ・スポーツ・交通など、幅広い業界で導入が進んでいる。
運送業界においても、ダイナミックプライシングの構築に向け、2022年に内閣府が推進する国家プロジェクトが始動した。
顧客のニーズに応えつつ、収益を最大化するために、今後もダイナミックプライシングを導入する業界・企業は増えていくと考えられる。