電動車

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電気を動力源として使う自動車を指し、具体的には下記の種類がある。

  • (1) 電気自動車(EV)
    動力源の100%が電気。走行時にCO2が排出されないものの、ガソリン車に比べ製造コストが高いことや、航続距離が短いこと、充電時間が長いこと、電池製造時にCO2が排出されるといった短所がある。
  • (2) 燃料電池自動車(FCV)
    水素により作った電気を動力源として活用。電気自動車に比べ航続距離が長い、充てん時間が短いといった長所があるものの、製造コストや燃料となる水素のコストが高いという短所がある。
  • (3) プラグインハイブリッド自動車(PHV)
    ガソリン・電気の両方を動力源として活用。バッテリー充電量が多い時は電気のみで走行するが、受電量が少なくなると必要に応じてガソリンエンジンを作動させて走行。そのため、ガソリンエンジンにて走行時にCO2を排出する。
  • (4) ハイブリッド自動車(HV)
    ガソリン・電気の両方を動力源として活用。ガソリン車に比べ燃費性能に優れている。一方で、ガソリン車ほどではないが、走行時にCO2を排出する。

2021年10月22日に閣議決定された地球温暖化対策計画において、温室効果ガス排出量削減目標を全部門では46%(2013年度比)、2013年度排出実績のうち約18%を占める運輸部門では35%(2013年度比)を掲げている。また、前述の目標に対する産業政策であるグリーン成長戦略において、自動車・蓄電池産業を成長が期待される14分野のひとつに定め、下記の電動化目標を設定した。

  • 【グリーン成長戦略における電動化目標】
  • 乗用車
    2035年までに新車販売で電動車100%を実現
  • 商用車

    • 小型
      新車販売で、2030年までに電動車20~30%、2040年までに電動車・脱炭素燃料車100%を目指す
    • 大型
      2020年代に5,000台の先行導入を目指すとともに、2030年までに2040年の電動車の普及目標を設定

中でも燃料電池自動車については、製造コストや燃料となる水素のコストが普及における障壁となっていたが、航続距離の長さや充てん時間の短さといった長所を生かせる商用車のほか、エネルギーの地産地消といった観点から公用車への導入実証・実装の動きが見られる。今後、水素価格低減や水素ステーションの普及により、さらなる導入拡大が予測される。

(金銅 芽里)