「第5期MURC アクセラレータ LEAP OVER」審査結果発表最優秀賞は、世界最高レベルのセンサーにより スマートファクトリー化の課題を解決する ロボセンサー技研株式会社に決定

2022/05/23

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:池田 雅一、以下MURC)は、スタートアップによる革新的なビジネスの取り組みをサポートし、その立ち上げや事業化のスピードを加速させるアクセラレータプログラム「MURCアクセラレータLEAP OVER」を2017年度より主催しています。

第5期は、本年2月より開始し、約4ヵ月の間、ビジネスマッチングにとどまらず、具体的な事業化に向けた実証実験の支援を行ってまいりました。その最終成果発表会として、5月20日に“LEAP DAY Supported by 三菱電機株式会社、株式会社ウエストホールディングス、三谷産業株式会社”を開催し、最優秀賞を決定いたしました。

上から:【審査員長】 池田 雅一(三菱UFJリサーチ&コンサルティング 代表取締役社長 )【最優秀賞受賞者】 大村 昌良氏(ロボセンサー技研株式会社 代表取締役)
上から:
【審査員長】 池田 雅一(三菱UFJリサーチ&コンサルティング 代表取締役社長 )
【最優秀賞受賞者】 大村 昌良氏(ロボセンサー技研株式会社 代表取締役)

ロボセンサー技研株式会社が、最優秀賞を受賞

第5期は、注力テーマとして「1.グリーンテック(再生可能エネルギー、3R・環境ビジネス等)」、「2.既存産業DX」、「3.ライフ・ワーク改革」を掲げ、先端技術を有する9社のスタートアップ企業を採択しました。LEAP DAYでは、パートナー企業・協力自治体らとともに取り組んだ約4ヵ月にわたるプログラムや実証実験の成果、今後のビジネスプランを発表し、主に下記4つの観点から審査が行なわれました。

①社会的インパクト・貢献度

②ビジネスとしての魅力度(市場性・競合優位性)

③経営者・チームの魅力(事業に対する適性、熱量)

④プログラム活用度(効果的な実証実験を実施できたか・パートナーと信頼関係を構築して取り組めたか等)

厳正なる審査の結果、本プログラムが掲げる注力テーマ「既存産業DX」分野において、同社が開発したセンサーのセンシングの性能の高さと今後のソリューションとしての展開可能性、社会へ与えるインパクトの大きさが高く評価されたロボセンサー技研株式会社(静岡県)が最優秀賞を受賞しました。また、他の8社には優秀賞が贈られました。

登壇企業一覧と各実証実験の概要・成果、今後の展開

【グリーンテック分野】

株式会社グローバルエナジーハーベスト(所在地:神奈川県、代表者:速水 浩平)

【概要】 CO2排出実質ゼロにも貢献する「循環型波力揚水発電」の実証を行う。また、そのための実証候補地を選定する。更に、候補地選定のためのガイドラインも作成する。従来型波力発電の3大課題(コスト・安全性・漁場)を解決して、世界で初めての波力発電の本格的な実用化を目指す。
【成果】 神戸市等の意見を基にガイドラインの内容を充実させ完成度を高めることができた。また、「循環型波力揚水発電」に関心を持っていただける自治体向けのFAQも作成。従来よりも、候補地選定を行いやすくなった。
【今後】 日本全国において「循環型波力揚水発電」の実証を行い、信頼性の向上と導入実績を築く。また、波力発電の普及推進のための啓蒙活動も実施。その際に、今回作成したガイドラインも活用していく。

AC Biode株式会社(所在地:千葉県、代表者:久保 直嗣)

【概要】 バイオマス灰からアップサイクルした吸着剤CircuLite(サーキュライト)を、三谷産業から紹介を受けたフィルター関連のエンジニアリング企業にて試験。
【成果】 現在、CircuLiteサンプルの試験をあるエンジニアリング会社にて実施中であるが、従来の活性炭やゼオライトの代替品であること、従来品と比較して機能を追加できること、リサイクル率を向上できることが確認でき、今後の商談、拡販に繋がる見込み。
【今後】 温暖化ガス吸着、有毒ガス吸着、アスファルト向けなど新規用途を開拓。また、より大規模な商談に繋がる場合は、供給量を拡大する為に、現在の台湾工場以外にも工場を広げていく予定。

株式会社ミライエ(所在地:島根県、代表者:島田 義久)

【概要】 三谷産業と、主力製品である堆肥化装置の販売面で事業提携を開始。また、堆肥化で得られる排出権の認証に向けたチームを編成した。
【成果】 営業パイプラインを獲得できたのと同時に、堆肥化装置導入によるコスト削減に対する高いニーズを確認することができた。また、排出権認証については、クレジット認証機関との協議が開始できた。
【今後】 三谷産業の販路で堆肥化装置の販売を行うだけでなく、ユーザーが生産した肥料を三谷産業ルートで販売したり、排出権のクレジット化によるユーザーの収益向上を図る。

【既存産業DX分野】

株式会社mmガード(所在地:東京都、代表者:鈴木 和清)

【概要】 太陽光パネルの不良を検出するAI「Drone View for SOLAR」の開発に向け、広島県の太陽光発電所「ウエストニュージーランド村ソーラーパーク」で実証実験を行う。
【成果】 ドローンが空撮した赤外線写真をもとに、太陽光パネルのクラスター不良などを検知し、不良箇所をマーキングするとともに位置情報をレポートするAIを開発した。写真から太陽光パネルだけを切り出す手法と、検出率を上げていくための課題も抽出することができた。
【今後】 検出率の向上、ユーザーインタフェースの改良、およびレポート機能を拡充していく。併せて、実用先の開拓や、プラントのガス漏れ点検などの分野で利用できるAIの開発も進める。

スマイルロボティクス株式会社(所在地:東京都、代表者:小倉 崇)

【概要】 事業の方針転換にあたって、三菱電機の協力を得て市場調査の対象者へのインタビューを複数実施。また、新たな方向性の解像度向上のためのディスカッションを実施。
【成果】 三菱電機の第三者的かつ専門的な視点で手厳しい意見も含めた議論を重ねながら、幾度も仮説のスクラップ&ビルドを繰り返した結果、「ロボットを開発する」のではなく「ロボット開発における課題を解決する」という方針を策定することができた。
【今後】 新方針のもと、早期にファーストサービスを提供できる状態にする。市場投入に向けて高速でPDCAを回し、ビジョンの実現へと繋げていきたい。

ロボセンサー技研株式会社(所在地:静岡県、代表者:大村 昌良)

【概要】 三菱電機の昇降機に対し当社の高感度センサーを取り付け、機器の振動の変化を精密に計測。その変化をいち早く捉えることで、機器状態の良否判定や、メンテナンス作業の効率化へも活用可能か検証し、多面的な効果を確認する(今後提案・実施予定)。
【成果】 実証実験により、以下の2点を確認できる想定。
①従来センサーでは捉えることのできなかった微細な振動を分析することで、機器のメンテナンスにおける属人的なノウハウ(暗黙知)をデータとして捉えることが可能か
②技術の個人差解消と作業効率向上の両立が可能なソリューションへの展開可能性
【今後】 自社の高感度センサーおよびデータ収集・記録システムにエッジAIを取り込む。機器の状態管理やメンテナンサーの作業管理を学習させ、人とモノとのトータル管理によるメンテナンス業務の効果向上を図る。

【ライフ・ワーク改革分野】

ハインツテック株式会社(所在地:福岡県、代表者:青木 睦子)

【概要】 三谷産業協力のもと、細胞内へ物質を導入する新ツール「ナノチューブ膜スタンプ」のユースケース設計およびニーズ・課題の明確化を行う。
【成果】 複数のパートナー企業・大学との議論などを通じ、当初想定していた再生医療分野以外にも、環境・化学品などの分野でのニーズや、従来導入が困難であった高分子のみならず、低分子導入の代替法としてもニーズがあることが分かり、新ツールとしての可能性が大きく拡がった。
【今後】 新ツールの有用性を拡大するため、まずは三谷産業や他パートナー企業・大学とともに、設計したユースケースにおける有用性を検証・確認する。そして、実用化に向けて、今回明確になった課題やニーズを仕様に落として機器の改良を行う。

学び舎mom株式会社(所在地:愛知県、代表者:矢上 清乃)

【概要】 新事業である、経験豊富なママチームBPOサービス「MYTi(マイティ)」に関し、ウエストホールディングスとの対話やニーズ仮説検証を経て、コンセプト・内容のブラッシュアップを図る。
【成果】 「業務の切り出し方が分からない」「より高度な業務を依頼したい」といった大企業の抱える悩み・ニーズを明確にするとともに、「MYTi」だからこそ提供できる価値と改善点が明確になった。
【今後】 育児で離職中の女性等、能力を活かせずにいる人材へのサービス提供にあたり、まず「ハイキャリア女性」にフォーカス。今回の実証で明らかになった企業側のニーズにマッチする価値の高いサービスの提供を開始する。

株式会社Kids Public(所在地:東京都、代表者:橋本 直也)

【概要】 スマホから産婦人科医・小児科医・助産師へ相談ができる「産婦人科・小児科オンライン」の妊産婦、子育て世帯向けの実証実験を、岩手県八幡平市において開始。専門家へのアクセス向上を検証。
【成果】 八幡平市と共同でプレスリリースを公開し、実証実験開始を社会へアピール。八幡平市民向けには、市報を通して周知(本年12月末日まで八幡平市民への無償提供を実施し、妊娠、出産、子育ての不安軽減への貢献を評価予定)。
【今後】 現在、八幡平市以外にも複数の自治体と実証実験の協議中。全国約1,700の自治体へのサービス提供を進めていく。

最終成果発表会の詳細は、全文紹介をご覧ください。

本件に関するお問い合わせ

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
ソーシャルインパクト・パートナーシップ事業部 尾仲
E-mail : leapover-accelerator@murc.jp

報道機関からのお問い合わせ

コーポレート・コミュニケーション室 廣瀬・杉本
E-mail : info@murc.jp