防災・リスクマネジメント研究室 のご案内
8/18

支援物資の適切な供給には、発災からの時間経過に応じて供給方法を切り替える計画づくりが重要です。大地震や大規模水害等を想定した場合、発災後1日目は住民自らの備蓄物資で、2日目は市町村の備蓄物資で、3日目は都道府県からの支援物資で、4日目以降は国からのプッシュ型支援物資で賄い、1週間を目処にニーズに応じた供給体制に切り替えていくといった考え方のもと、避難者数に応じた需要推計に基づく、供給計画の作成が求められます。特に、災害直後の混乱期にも整然と、かつ迅速に支援物資を受け入れられる体制づくりが重要です。支援物資対応において、物資の受け入れ(入荷)・保管(在庫管理)・仕分け・出荷を行う拠点の確保・運営が重要になります。現状は、体育館等の公的施設を物資拠点として指定するケースが多いですが、運営に必要な人員・資機材の確保等の観点から、災害時協力協定に基づく民間倉庫の活用等も注目されています。物流専門家の派遣を含め、官民連携による体制を構築することが求められます。物資供給計画の作成、官民連携体制の構築後には、訓練の実施が重要です。訓練を通して、計画やマニュアルの検証・手順の習得・協定先等との関係強化・物資拠点の見直し・必要資機材の追加準備等、様々な事前対策事項が確認できます。繰り返し訓練を継続することで災害時の対応力をスパイラルアップで向上させることが可能となります。 当社では、神戸市や大手物流事業者と協定を締結し、災害時物流対策の各種支援に生かしています。Topic【実動訓練の様子】【物資供給計画の作成フロー例】前提条件の整理必要備蓄量・目標備蓄量の把握備蓄倉庫の規模・仕様・立地等の把握・対象とする災害、被害想定、物資備蓄状況・タイムラインに即した住民・市町村・都道府県・国の物資供給の考え方・備蓄物資供給対象者の特定・必要備蓄量の推計・支援物資として供出可能な流通備蓄量の推計・流通備蓄量を踏まえた目標備蓄量の設定・基礎資料の収集・整理、現地調査・建物・立地・災害時使用可能性の評価備蓄倉庫の施設計画及び備蓄物資の配置計画の検討・備蓄物資の配置パターン・担当エリアの設定・備蓄倉庫の新設・拡充の必要性の検討・備蓄倉庫の施設計画の検討・施設計画を踏まえた 備蓄物資配置計画の検討庫内オペレーション(搬出入・在庫管理)や車両動線を踏まえた施設計画の検討避難所外避難者(ホテル、車中、疎開、在宅等)の推計企業との連携協定による流通備蓄確保品目特性を踏まえた配置パターンの検討①タイムラインを想定した支援物資供給計画の作成②官民連携による物資受け入れ拠点の確保・運営体制づくり③スパイラルアップによる対応力向上のための訓練実施◆計画作成から訓練実施までの一貫した支援物資供給計画では必要物資量や備蓄物資の配置計画を定め、計画を踏まえて各物資拠点の運営マニュアルを作成します。これらに基づき訓練を実施することで、入荷から出荷に至る一連の情報伝達プロセスにおける指示命令系統、情報伝達手段、各種様式の改善ポイントが明確となり、必要な見直しを行うことができます。当社では、豊富な経験に基づき、計画・マニュアルの作成から、シナリオの作成・事前準備・当日の運営といった訓練の実施全般まで、一貫した支援が可能です。◆専門家の知見を反映した現場対応力の向上支援物資の多くは大型車両で到着します。これを手荷役で扱うのは現実的でなく、フォークリフトを用いた荷役等、物流事業者・専門家の協力を得た対応が重要です。当社は、専門家を交え、マニュアルの作成から訓練による検証まで、現場のオペレーションを円滑にする全てに対して支援することが可能です。行政・民間との連携協定基本的な考え方、重要ポイント特徴支援物資輸送、災害時物流官民連携による迅速・円滑に支援物資を供給する体制づくりの必要性6

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る