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Iwata TakashiIyoda Wataru2022-23 SEARCH都市・地域計画社会資本政策地域防災地域包括ケア・地域共生社会ヘルスケア・健康づくり地方創生・人口問題ウォーカブルなまちを目指す自治体が増えています。ウォーカブルなまちづくりは、都市再生の取組の一環で、居心地が良く歩きたくなるまちの形成によって多様な人の集積、交流、滞在を促し、新たな価値の創造や地域課題の解決を目指すものです。ウォーカブル推進都市として名乗りを上げる自治体は、2022年5月31日時点で全国325自治体となっています。市民生活においても、最近は、自宅から1キロ圏に絞って散歩する「ご近所さんぽ」、地元にこだわって探求する「地元散歩」といった活動が話題となっており、歩くことの楽しさと意義が改めて認識されつつあります。■まちの魅力とはナゴヤを代表するまちの面白いもの探しの達人は、「面白いは人の数だけある」と言っています。一方、私たちが地域計画・まちづくりの仕事で観光交流促進の支援に携わる際、まず、そのまちの魅力を調査・分析することが出発点となります。歴史・自然史跡や観光誘客拠点など地域資源を洗い出し、再整理した結果をいく後期高齢者が急増する2025年が目前に迫っています。全国の保険者では地域包括ケアシステムの構築を目指し様々な取組を進めてきました。高齢化率や地域の状況は近年ますます多様になってきており、保険者には各地域の人材・資源等を活かした地域づくりが求められています。こうした中、一部の保険者では地域の医療機関や介護施設・事業所に勤務するリハビリ専門職(リハ職)と積極的に連携し、自立支援・重度化防止に向けた効果的な地域づくりが進められています。■目指す地域像を踏まえた連携戦略を地域のリハ職との連携は、地域リハビリテーション活動支援事業をはじめ様々な形が想定されます。いずれの場合も保険者として目指す地域像を明確にしたうえで、その実現につながる連携方策を柔軟に考えることが重要です。ここでは、自治体とリハ職が連携して地域づくりに取り組む際のポイントを3つ紹介します。ポイント①リハビリ専門職の特性を理解するつかのストーリーに取り纏めたり、ルートマップに落とし込む流れにおいても、まちの魅力を「きちんと漏れなく捉えているか」が業務の質を左右する要点とも考えてきました。けれども、まちが有する魅力は、皆が見て皆が良さを感じる要素のみで形づくられているのではなく、外来者も含めた一人ひとりが面白いと感じたり大事に思う無数の要素の集合体が、そのまちの本当の魅力なのかもしれません。■まずはウォーカブルなまちづくり魅力的なまちづくりを考えるとき、目玉は何か(なければ創る)、いかに魅力的にPRするか(映えるか)、に思考のウエイトを置きがちになりますが、何が魅力かは、訪れる人にゆだねてみる部分も大事かもしれません。そのためにも、まずは、歩きやすい、歩きながら何かを発見できそうと感じてもらえるような、ウォーカブルなまちづくりから考えてみるのはいかがでしょうか。リハ職の専門性は運動指導だけではありません。暮らしに着目したアセスメントや予後予測、環境調整、自立支援の動機付けなど多くの強みを持っています。対個人のみでなく、集団や他職種、事業者への助言といった間接的なかかわりも含めて連携方策を考えることが重要です。ポイント②企画段階からの連携で実効性を高める実際に連携するリハ職がPDCAの全体にかかわることで、現場に合った実効性の高い事業設計が可能です。また、実施後も定期的にフィードバックを行うことで、改善や新たな取組の創出につながる場合もあります。ポイント③自立支援のプロセスに沿った多面的なかかわり通いの場での啓発、ケアマネジャーとの同行訪問、給付サービス、総合事業など、元気な時から支援が必要となった時までのあらゆる場面でリハ職が関与できる仕組みづくりは、地域全体の自立支援の質を向上させます。25副主任研究員岩田 賢研究員伊與田 航都市・地域計画まずはウォーカブルなまちに■まち歩きの効能福祉リハビリ専門職との協働で地域づくりを強化する■自治体と地域のリハビリ専門職との協働

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